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語呂のいい英語

今読んでいる本、"The Old Man and the Sea"の中で、こんな記述があった。

・・・But, thank God, they are not as intelligent as we who kill them; although they are more noble and more able.

この文を初めて読んで感じたものは、「語呂がいい!」ということ。語呂がいい文章は軽快で、リズミカルで、そして美しい。情景描写が限りなく美しいとして知られているArnest Hemingwayの「老人と海」だが、そのように言われる所以がわかったような気がした。確かに情景描写が巧みで、ありとあらゆる単語で話は書かれているけれど、それだけじゃないんだなー。なんだかちょっとした発見をしたようで嬉しい。
 さてでは上の文章を和訳してみよう
文章自体は何の変哲もないものだ。

But, thank God, → だがしかし神よ、感謝します。

they are not as intelligent as we[ who kill them ]  
  as~asで比較形
  比べられているものは、they we
  [ ]内はwhoを修飾
→彼らは、やつらを殺す俺達より頭がいいわけじゃない。

・although they are more noble and more able

→だが奴らは俺らより気高くて立派なんだが

《翻訳》 が、ありがたいことに、やつらは、やつらを殺すおれたち人間ほど頭が良くないんだ。もっともおれたちよりは、気高くて、立派じゃあるけどな。

日本語にすると、全く何の変哲もないただの一文になってしまう。でも英語だと、ここは able と noble の対比が、その文だけでなく、その文周辺を洗練されたものに見せているような気がする。
 普段はこんな細かく分析しながらいつも本を読んでいるわけではないのですが、この一文だけ妙に印象的だったので、文字にしてみました。自分にしっくりくるオトだったのでしょうね、きっと。

20193月 旧HPより転記



by reiko-204 | 2002-03-10 01:00 | 英-英語 | Comments(0)
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